9月11日松下幸之助一日一話(松下幸之助.COM) 個人主義と利己主義 今日、個人主義と利己 主義が混同されているきらいがあります。本来の個人主義というのは個人は非常に尊いものであるという考え方だと思います。が、一人の個人が尊いということ は、同時に他の個人も尊いということになります。ですから個人主義はいわば他人主義にも通じるわけです。 それに対して利己主義というものは、自分の利益をまず主として考え、他人の利益をあまり重んじない姿です。 今日ともすれば、個人主義が誤り伝えられて、利己主義に変貌してしまっている姿がありますが、この画然とした違いをお互いに常日ごろから知っておく必要があると思うのです。 筆洗 2013年9月10日筆洗(東京新聞TOKYOWeb) ▼ 日本をファーイースト(極東)と呼ぶが、ジェット機時代のいまは、もはやファー(遠い)ではない。ファーなのは国と国、人と人の理解です」。一九六四年の 東京五輪開催が決まった国際オリンピック委員会(IOC)総会でプレゼンテーターを務めたのは、NHKの名解説者平沢和重さんだった ▼「西欧に咲いた花を、東洋でも咲かせていただきたい」。アジア初開催の意義を訴え十五分間でスピーチを終えると、会場は拍手の嵐に包まれたという(波多野勝著『東京オリンピックへの遥かな道』) ▼あの東京五輪から五十六年。聖火が帰ってくる。開催理念の弱さを指摘されながらも成功したのは、被災地出身の義足ランナー佐藤真海さんの胸を打つスピーチに象徴されるように、スポーツが復興への力になることへの共感だろう ▼はしゃいでばかりいられない。懸念されていた福島第一原発の汚染水問題で安倍晋三首相は「状況はコントロールされている」と断言した ▼汚染水漏れの全体像すら把握できず、対策が後手に回る現状を知りながらよくぞ大見えを切ったものだ。歴史的な虚言と批判されないように、国を挙げた対応という国際公約の厳守を求めたい ▼招致の決定は冷え込んだ隣国との関係修復のきっかけにできる。隣国の首脳同士が立ち話しかできない遠い関係が長く続くなら開催国の資格を問われる。 2013年9月11日天声人語(OCN*朝日新聞デジタル) 天声人語 ▼2020年を彩るのは東京五輪だけではない。日本書紀が完成して1300年という節目の年でもある。古事記成立1300年だった去年は数多くの関連本が出版され、ブームの観があった。7年後はどうなるか ▼記紀神話ゆかりの地はそれぞれ知恵を絞る。奈良県の手がける事業は20年までぶっ続けである。古(いにしえ)を旅する人向けの道案内「名所図会(めいしょずえ)」はなかなか立派だ。倭(やまと)は国のまほろば。シルクロードの終着点。様々に形容される古都は気合が違う ▼「記」の節目が過ぎ、さあ次は「紀」かと思いきや、そうでもないらしい。担当者によると、来年までは記を中心に展開する。15年ごろから紀に比重を移し、万葉集にも目配りする。最後の2年で集大成のイベントを企画するという ▼天孫降臨神話の地、宮崎県も9年越しの事業を進めている。準備不足やPR下手も指摘されるが、奈良県はゴールまで一緒にやりたいと考えている。職員の人事交流などをしながら手を携える ▼ 島根県は去年、「神話博」を催したが、20年をにらむ構想はないと聞く。因幡(いなば)の白兎(しろうさぎ)で有名な出雲神話は、記の上巻の4分の1を占 める。ところがなぜか紀の本文には出てこない(三浦佑之〈すけゆき〉『古事記を読みなおす』)。これでは張りあいもないか。二つの書の違いに興味が湧く ▼記紀つながりでいえば、伊勢神宮のある三重県が東京の日本橋に近く情報発信の拠点を開く。奈良と島根のショップも近所。お国ぶりを比べながら神話の世界に遊ぶのも楽しそうだ。 PR |
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