10月1日松下幸之助一日一話(松下幸之助.COM) 法治国家は中進国 今日、法治国家というの は、だいたい先進国ということになっていますが、私は法治国家は真の先進国とは言えないのではないか、という気がします。是非善悪が何でも法律で決せられ る法治国家は、いわば中進国であって、真の先進国、文明国とは、法律がきわめて少なく、いわゆる法三章で治まっていく国、それだけ国民の良識が高い国とい うことではないかと思うのです。 とすれば、真の先進国になるためには、やはり国民の良識の涵養というものを大いにはかっていかなければなりません。そのことに成功しない限りは、先進国にはなれないのではないかと思うのです。 2013年9月30日筆洗(東京新聞TOKYOWeb) 筆洗 ▼ 今年二月、米アカデミー賞の作品賞に輝いた「アルゴ」は、一九七九年の在イラン米国大使館占拠事件をめぐり、封印されていた最高機密を映画化した作品だ。 中央情報局(CIA)がニセ映画の製作を企画、カナダ大使公邸に匿(かくま)われた六人の米大使館員を撮影クルーに仕立てて出国に導く ▼不合理で邪悪な民族のように描かれたと猛反発したのはイラン側だ。三十年以上断交が続く両国の溝は深いが、イラン大統領が穏健派に代わると、対話の回路がつながり始めた ▼米国のオバマ大統領とイランのロウハニ大統領は先週、電話で対話し核問題の早期解決を目指すことを確認した。十五分間とはいえ、トップ同士の会話はイラン革命後は初めてで、歴史的な出来事である ▼冷え切っている日本と隣国との間にも小さな動きがあった。韓国・光州で開かれた日中韓文化相会合で安倍政権発足の後、日中の閣僚が初めて公式会談した。文化から関係修復が始まる気配だ ▼「国際文化交流とは安全保障の不可欠の一部」と指摘したのは梅棹忠夫さんだ。異なる価値を認めることは心中で矛盾を乗り越える辛(つら)い作業だが、戦火を避けるためには不可欠な営みであるという ▼「たがいの文化への理解がじゅうぶんであれば、ほんとうの戦争は起きようがありません。文化は、攻撃をはじめからやめさせるもっとも効率のよい武装です」 2013年10月1日天声人語(OCN*朝日新聞デジタル) 天声人語 ▼会社にはそれぞれ社風というものがある。その違いが、例えば「組織の三菱、人の三井」などと言い習わされる。サントリーの「やってみなはれ」の精神は、最も有名なもののひとつだろう ▼会議は立ったままでする。参加、不参加は自分で決める。興味のない議題のときなどは抜けてもいい。これが、01年に設立されたIT企業「はてな」の流儀だそうだ。創業者の近藤淳也(じゅんや)社長が著書『「へんな会社」のつくり方』で紹介している ▼楽しく仕事ができる環境を大切にし、情報はみんなで共有する。なにより「まっとうな意見が通る組織」をめざす。風通しが悪ければいずれ顧客も離れていく。柔らかい発想はベンチャー企業ならではか ▼不祥事がこれでもかとばかりに続くJR北海道は、ついに経営陣が刷新されるという。その風土、文化はどうだったか。社内報の7月号に出た社員アンケートの結果を、本紙が報じていた。士気の低さが如実にあらわれ、痛々しいほどだ ▼会社の経営理念に共感できるか。経営トップの考えが伝わってくるか。自分が行動を起こせば会社は変わると思うか。これらの問いへの答えがどれも著しく否定的である。悪い情報やトラブルを上司に報告しにくい傾向も出ていた。この夏以降の展開を予言するかのようだ ▼こうした調査は12年ぶり。経営陣は長い間、社員の声に耳を傾けることがなかった。直ちに風通しをよくし、まっとうな社風に改める。簡単ではないが、新トップの最優先の課題だろう。 PR |
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