10月10日松下幸之助一日一話(松下幸之助.COM) 大事に立てば立つほど 困難期、混乱期に際して大事なことは、根本的な心の迷いをとり除いて、しっかりと心を確立してゆくということです。志をかたく堅持して、そして事に立ち向うことができるなら、その時に応じて最善と考えられる具体的な方策は、適切に出てくるものたと思います。その志を確固として持つことなしに混乱期に直面すれば、あれこれと心が迷うことになって、事が失敗に終わる場合が少なくないと思うのです。まさに“貧すれば、鈍する”です。 大事に立てば立つほど、どう生きるかについてのしっかりした信念を持つ。そうして事に当たれば、ある程度の処置を過たずしてできるものだと思います。 筆洗 2013年10月9日 筆洗(東京新聞TOKYOWeb) ▼気味が悪いほど暑い。八日、東京都心の気温は三〇度近くまで上がったという。この陽気の中キンモクセイの匂いとは妙なものだ。暑い秋にどうも調子が狂わされてしまう ▼本来、そろそろ熱かんでもという季節になっているはずなのにこう暑くてはそんな気にもならない。調子が悪くなる話はこれだけではない ▼政府・自民党から環太平洋連携協定(TPP)交渉で関税撤廃しないと約束をしていた「聖域」の一部をあきらめるような発言が出てきた。交渉ごとである以上、日本の主張がすべて通るほど甘くはないのは分かっていた ▼無理な約束だったのかもしれない。それでも自民党は約束したのである。具体的な交渉が進まぬうちに用意されていたかのように譲歩の白旗が出てくることがおかしい ▼酒と約束といえば、こんな小話がある。むこう一年酒を断つと神様に約束した男にその飲み仲間が誓いを破れと説得する。「こうしてはどうか。酒を断つのをもう一年延ばして二年にしてもらえ。その代わり夜だけ酒を飲むというのは」「そいつはいい。思い切って三年に延ばして昼間も飲むか」。約束は形だけ ▼半面、政府と自民党は交渉の年内合意に熱心だ。年内挙式と言われれば、親としては最初の約束が妙な具合になっても反対しにくい。日本の国民は物分かりの良さを自民党に付け込まれている気がする。 PR |
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